子育てをしていると、つい感情的に強い言葉を投げかけてしまうことがあります。本書はそうした「何気ない一言」が子どもの心にどう作用するのかを、犯罪心理学者という専門的な視点から解説してくれる一冊です。
著者の出口保行氏は、少年院や刑務所での臨床経験を通じて得た知見を踏まえ、子どもを追い詰めてしまう言葉と、逆に心を支える言葉の違いを具体例とともに紹介しています。「なんでできないの」「お兄ちゃんなんだから」といった、親なら一度は口にしたことがあるような言葉が、実は子どもの自己肯定感にどのような影響を与えるのかを冷静に分析している点が印象的でした。説教くさくなく、あくまで事例と心理メカニズムを提示するスタイルなので、読んでいて責められている感じがしないのも読みやすさにつながっていると感じます。
価格は495円と、新書や教育書としてはかなり手に取りやすい設定です。評価4.4という数字と1198件という多めのレビュー件数からも、幅広い層の読者に受け入れられていることがうかがえます。内容の専門性とコストパフォーマンスのバランスが評価されている理由のひとつではないでしょうか。
一冊を通して文章量はそれほど多くなく、通勤時間や隙間時間でも読み進められる構成になっています。子育て中の方だけでなく、教育や保育に関わる仕事をしている方、あるいは自分自身が子ども時代に言われた言葉を振り返りたい方にも参考になる内容だと思います。即効性のある育児テクニック集というよりは、言葉の持つ力そのものについて考えさせられる本という印象を受けました。気負わず読める一冊として、育児書をあまり読まない方にもおすすめしやすいと感じています。
コメント(0)
まだコメントはありません。最初のコメントを投稿してみませんか?