「死」とは何かというタイトルを見たとき、正直かなり重いテーマだと身構えてしまったが、読み進めてみるとイェール大学の講義をそのまま文字に起こしたような語り口で、思っていたよりずっと読みやすかった。シェリー・ケーガン教授が、死後の世界や魂の存在について感情論ではなく、論理と哲学的な思考実験を積み重ねて検証していくスタイルが特徴的で、宗教的な死生観とは一線を画している。
価格は499円とかなり手頃で、この内容量と知的刺激を考えると割安に感じる。評価は4.2、レビュー件数も416件と自己啓発・哲学系の書籍としてはかなり多く、一定の支持を得ていることがうかがえる。実際に読んでみると、哲学書にありがちな難解さはあるものの、具体例や比喩を多用して説明してくれるため、専門知識がなくても何とか追いかけられる構成になっている。
ただし、分量はそれなりにあり、一気に読み切るタイプの本ではない。じっくり時間をかけて、自分の中で反芻しながら読む必要があるため、気軽な自己啓発本を期待すると少し硬さを感じるかもしれない。死を恐れることの合理性や、人生の価値をどう考えるかといったテーマは、読んだ直後よりもしばらく経ってからじわじわと効いてくる印象がある。
個人的には、死そのものよりも「限られた時間をどう生きるか」という視点に立ち返らせてくれる点が良かった。万人受けする内容ではないかもしれないが、価格の安さと評価の高さを考えると、一度は手に取ってみる価値のある一冊だと思う。
コメント(0)
まだコメントはありません。最初のコメントを投稿してみませんか?